宇宙開発事業団のJAXAで、宇宙飛行士になるための試験では、絵のない真っ白なジグソーパズルを渡されます。ジグソーパズルは、絵があるからできるのです。テストで渡される白いジグソーパズルは、形だけが頼りです。「はい、やってください。」と言われても、簡単にできるものではありません。

ここで、「何分でやるんですか」「どうすればいいですか」「なんのためにやるんですか」と聞く人はアウトです。課題を「やってください」と渡されてすぐに取りかかれる人が、宇宙飛行士に向いているのです。「なんのために」とは聞かずに、どうすればいいかを瞬時に判断して、すぐに動いているのです。

ジグソーパズルは、一見クリエイティブです。でも、実は地味な作業です。「はい、やめてください。」と言われても、全部出来上がっていません。ここで「合格ですか、不合格ですか」と聞く人はアウトです。終わったあと、「これ、もって帰っていいですか。つくりかけでは気持ち悪いから、全部つくっておきたい」と言える人が、宇宙飛行士に向いているのです。できたかできないかではなく、その人の姿勢を見ています。

宇宙船では、狭い中に少人数でいることを強いられます。言われたことがきちんとできて、協調性があることが宇宙飛行士には求められるのです。そのトレーニングは、子どもの時の教育に通じるものがあります。宇宙飛行士の仕事は、ひたすら地味な反復作業です。派手なものは一つもありません。もっとも、地味な反復作業を黙々ときちんとこなせるのは、宇宙飛行士の適性についてだけ言える事ではありませんが。

宇宙飛行士の試験には、もう一つあります。鏡に映した星形をみながらその溝を鉛筆ではみ出さないようになぞるという作業をするのです。星形は鏡映で反対に映るので、どうしてもはみ出します。はみ出た時にはルールがあります。はみ出たところから元に戻って溝の中へ続けていくのです。紙から鉛筆を離さないというルールもあります。

これを始めると、ルールを何度も確認する人が出てきます。「はみ出した時には、はみ出したところから戻ってくるというルールと、もう一つは何でしたっけ。あっ、鉛筆を離さないことね」という人はアウトです。ルールを聞くときに集中していないからです。ルール説明を1回で聞き取れない人は、集中力が甘いのです。

ルールを無視する人もアウトです。「ちょっとぐらいはみ出ても、まあいいか」ともとへ戻らなかったり、鉛筆を紙から何度も離してしまう人は、どんなにきちんとはみ出さずにできたとしても、宇宙飛行士の適性はありません。紙から鉛筆を離したら、爆発する可能性も考えられます。それが平気でできてしまうようでは困るのです。

大勢でやっていることで、「これくらいのはみ出し方ならいいだろう」ということを積み重ねていると、必ず失敗が起こります。出来上がりよりも、個々人の心理が大きく影響するのです。これはすべての仕事で共通します。しかも、それは子どもの時に鍛えられた性格があらわれます。

子どもに何か指示を与える時に、顔のうなずきのリズムが早くて、指示を最後まで聞かないで「わかった、わかった」と横を向く子は、指示が頭に入っていません。指示を聞くときの注意力は大切です。子どもに、早くクリエイティビティーを身につけさせたいあまり、親はつい指示を聞く注意力、地味な反復作業を軽く考えます。地味な反復作業の出来ない人は数をこなせないどころか、クリエイティビティーもつきません。クリエイティビティー能力は、反復作業の中から生まれるのです。

宿題を渡され「多すぎ」「難しくてできない」「学校の宿題がある」などとつべこべ言わず、まずは淡々と宿題に取り掛かってみましょう。やってみれば以外と時間がかからず、簡単に終わるものです。また、試験中にやたらと質問する人(試験問題にかかれていることには原則的に質問できません。試験官に質問、話しかけることができるときは、筆記用具、トイレ、身体に影響がある場合に限ります。)も注意が必要です。

プレイスでおこなっている「お絵かき算数ドリル」もこの要素がふんだんに入っています。じっくりゆっくりできるまで取り組んでください。