中学受験の“離乳”は、自転車の補助輪を外すのに似ている 

中学受験の勉強を始める時期が“離乳”していく、つまりお子さんが親離れをしていくよいタイミングではないかと思います。子どもが補助輪なしで自転車を乗れるようになる過程に似ています。最初に子どもに自転車を与える場合、補助輪がついている自転車を与えるのが普通ですね。

でも補助輪がついたままでは、お尻を大きく上げたりしても左右の足の漕ぎ方のバランスが悪くてどちらかに傾いたりしても絶対に自転車が倒れないので、自転車の正しい乗り方は身につきません。子どもにそれを身につけさせたいなら、早めに補助輪をはずす必要があります。補助輪をはずすと、最初はすぐに転んで痛い思いや怖い思いをしたりします。でも、子どもは何度か転んでいるうちに自転車の正しい乗り方を自分の体で覚えていきます。

受験勉強もこれと同じです。最初は勉強が嫌にならないように、いきなり難しい問題を与えるのではなくやさしい問題を解かせて正解する喜びを知ってもらうようにしています。

でも、いつまでもそのままでは学力は伸びていきませんからある程度勉強に慣れてきたら、難しい問題にもチャレンジしていきます。その際には何度も「×」をもらうことでしょうがそれをバネにして努力を重ねて学力を伸ばしていくわけです。プレイスでもどんぐり式の「お絵かき算数ドリル」は解き方を教えません。何度「×」をもらって、できるまで絵や図を書かせています。時間はかかりますが、いったんコツと粘る力を身につけるとどんな問題でもお絵かきの要領でとけるようになります。
カリキュラムに追いつけない、時間ないからどんどん教えてしまっては子ども本来の考える力を摘み取ってしまいかねません。ゆっくり、じっくり育て、大きく羽ばたかせましょう!

子どものやる気を育てたいなら、親は勉強に手出しをしない

ただ、そのとき注意していただきたいのが、親はできるだけ手出しをせずに、陰から見守ることが大事だということです。親がいつまでも手取り足取り教えているようでは、本当の学力はついていきません。なるべく自分の力でやらせるようにすることで、たとえ最初は難しくてできない問題でも、塾の先生に聞いたり、自分でいろいろ考えて工夫したりして、解き方を会得していくものです。

自転車にしても、転ぶのが危ないからとすぐに子どもにヘルメットやプロテクターをつけさせますが、転んで痛い思いをするから転ばないように上達しようとする気持ちが起こるのであって、それを最初から取り除いてしまってはそういう気持ちは湧き上がってきません。

勉強にしても、「×」をもらわないようにということで、すぐに解き方を教えてしまっては、自分の力で理解しようという気持ちになりにくくなります。そして、問題を解くことがどこか他人事のようになってしまいます。自分でやる勉強であればこそ、転んだ痛みは自分の痛み、できた喜びは自分の手柄として明確に実感できるはずです。結果を自分の責任として受け止められる受験生=「合格する子」に育つのではないでしょうか。

受験勉強の過程は、自分の結果について想像し悩みながらそのリスクを自分で受け止めるしかない厳しさをだんだん悟っていく過程であり、そのリスクをなんとか回避しようと努力するところに人間としての成長を認めることができます。