過去問は傾向をとらえ、勉強の指針に
偏差値が高い学校の問題が難しく、低い学校の問題がやさしいとは限りません。難関校であっても出題量が適当でくせのない内容の学校もあれば、中堅校以下で難問を出すところもあります。偏差値の高低よりも、過去問との相性のほうが合否に影響を与えるように思います。過去問を解くことで、出題面から受験校としてふさわしいかどうかを判断することができます。
「基礎を重視した問題が中心」「記述が多い」「塾のテキストとは違った出題が目立つ」など、受験を考えている学校の傾向ははやめにとらえておくとよいでしょう。とくに志望順位の高い学校については、本番で一点でも多くとれるように過去問の演習での問題のレベルや出題傾向をしっかりつかんでおくとよいでしょう。
また、周りから「あの学校の過去問を○年分やった」という話がきこえると、焦りがちになります。例えば3,4年生のころから塾に通い、受験範囲の勉強を一通り終えている場合は、この時期が妥当でしょう。
しかし、基礎学習が定着していなかったり、苦手分野が多い場合、受験勉強を始めるのが遅かった場合は過去問に挑戦することはかえって自信を失い、受験校の変更などにつながりかねません。
プレイスでは個々の志望校にあわせて9月より過去問を解き始めます。塾の学習と志望する中学校の入試問題の難易度がかなり乖離している場合(通常、塾の学習の方が難しいです。)、未学習分野・苦手科目などありましたらご相談ください。
合格可能性「気にせずに」!?
9~12月の模試で、合格可能性が20~50%程度であってもあまり気にせず、前向きな気持ちをもつことが大切ではないでしょうか。本番では力を発揮でき、合格することができるケースも少なくありません。1回だけで合否をきめつけずに、何度か受けた結果で総合的に判断する事が大切です。結果が良くなかったときは、「苦手なところが多めにでたのかも」と受け止めるのも一つの方法です。
一校を複数回受験するなら、6年分が目安
受験パターンの違いによって、過去問の取り組み方も異なります。ひとつの学校を複数回受験する場合、6年分を一つの目安としてそれを繰り返します。
複数の学校を受験する場合には、「本命校」「チャレンジ校」「おさえの学校」などとわけ、本命校は4年分、チャレンジ校とおさえ校はそれぞれ2年分というように本命校に比重をおきます。ただし、出題傾向のちがう学校を5、6校受ける場合は対策が不十分にならないよう注意が必要です。
志望順位がそれほど高くなくても受験する可能性のある学校は、前年の問題は必ず解くようにしましょう。
埼玉や千葉などの1月入試を「試し受験」として利用する場合、その学校の問題を入試で初めて解くという受験生がいます。「本番の雰囲気になれるのが目的だから」と軽い気持ちで受け、予想外の不合格で予想外のショックを受けてしまうと、その先の予定を見直すことになるだけでなく気持ちの落ち込みが2月の入試の結果に影響する心配もあります。入試の最初の受験校は過去問をある程度解いた上でのぞむことが大切です。