思考力・表現力を育てる

 2020年度からセンター試験は廃止され、大学入学共通テスト(仮称)がスタートします。導入にあたっては、大学入学段階で求められる「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するという考えがベースにあります。まずは数学・国語で記述式問題が導入されます。こういった問題はここ十数年、中学受験においては難関校の出題の傾向として注目されてきたものです。しかし父母様のなかには、「うちの子はとても、こんな問題、解くことができない」と、お子さん以上に拒否反応を起こしてしまうケースが多いようです。しかし、何事もトレーニングをすれば力はついてくるものです。

(1)家族と過ごす時間が「思考力」「表現力」を育てる

 「討論式授業」の、いわば家庭版を試みるのが一つのトレーニング方法です。「この問題、お父さんはこう思うんだけど、○○くんはどう思う?」そう問いかけてお子さんが考えを述べたら、「どうして、そう思うの」とさらに質問してみます。こうしたやりとりをするうちに、最初はお子さんも頭のなかでひらめいた言葉をしゃべっているだけだったものが次第によく考えるようになり、さらに自分の言いたいことを膨らませてそれを伝えようと工夫するようになってくるのです。

(2)せっかちに、結論や答えを与えてはいけない

熱心なお父さん、お母さんのなかには、お子さんに問題を理解させようとしてお子さんに考える時間を与えずに答えを与えてしまう人がいます。

しかしお父さん、お母さんがどんなに苦心してお子さんにわかるように内容を解説しても、お子さんが自分で考えて理解したことでない限りは時間がたてばいずれ忘れてしまいます。それではいつまでたっても自分で考えたり、表現したりする力は養われません。

しいていえば、教えてはいけないのです。学習のある段階、過程においては教えることは、かえって子どもから自ら考える力を奪ってしまうことになるのです。これまでは長い記述問題といえば社会の時事問題が代表的な存在でした。「自分で考えるから社会という科目はおもしろい」と、まずはそうお子さんに思わせるような工夫をお父さんお母さんはしていくことが大切でしょう。これを社会に限らず、算数・国語でも思ってもらえるようにしていく必要があるというわけです。

(3)お父さんもお母さんも、頭に汗をかこう

 受験勉強というと、大人はどうしても机に向かってするものと考えがちです。しかし、ただ机に向かって問題を解いているだけでは思考力はなかなか身につきません。親が発する質問に対して、その都度考えて自分なりにまとめることで問題の素材に対しても興味がわき、問題を解くことが面白くなっていくのです。最初はひとつの用語でしか答えることができなかったものが、「こうすればもっとわかりやすい文章になると思わない?」とさらにアドバイスしてあげれば、考えのまとめ方の要領もつかんでいけるはずです。